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skate columnSKATE COLUMN 2013/11/20  
haroshi
アーティスト。使用済みスケートボードを使用し、新たな命を吹き込む。
2012年, HUF x DLX x HAROSHI の個展をLAのダウンタウンで開催。
HUFからはHAROSHIシリーズ、glassy sun hater からシグネチャーモデル、
DLXのREALskateboardとKROOKEDからデッキをリリース
2013年秋にUNIFUL X HAROSHIのデッキをリリース。
Berricsで開催されるBATBのトロフィーを2年連続で製作する。
http://www.haroshi.com/
1回目 2013/10/16 『はじめまして』
2回目 2013/11/6 『BATB6のトロフィーのこと』
3回目 2013/11/20 『サインのはなし』
4回目 2013/12/4 『アメリカと日本』

『サインのはなし』

唐突だけど、サインて書いた事あります?
もうぜんぜんスケボーから話しがそれちゃってるけれど少し関係あるんです。
今年でスケボーで物を作り始めてから10年たつんだけど、
最初のうちはサインくれ!なんてあたりまえだけど言われなかったんです。
hypebeastに載ることが増えたあたりからか、
海外で『サインしてよ!』って言われることが徐々に増えて来て、
たしか最初はカナダで言われたんだよね。
でもそのとき僕はサインなんかなかったから
『そんなもんないから!芸能人じゃないから!』
なんていつも拒否することが僕の身の丈と思っていたんです。
でも断られたときにみんなちょっと残念そうな顔をするんですよね。
それがすごく引っかかって、あるときちょっと真剣にサインについて考えたんです。
僕が子供のときにどうだったか?
サインくれってねだった事はなかったか?
そう考えるとやっぱ快く書いてくれた時は、
本当に自分の宝物になった事を思い出して、
サインをくれっ!て勇気をふりしぼって言った心境を思い出したんです。
あんまりサインをねだった事はないんですけど、忘れられないのはまだ10代の頃、
今や世界中から注目を集めるスケートボーダーになったchopperさんを池袋で見かけて、
『サインください!あとなんかやばいトリック伝授してください!』
と厚かましいお願いをしたらものすごくナイスに対応してくれて、本当にうれしかったのを覚えてます。
ちなみにサインはズドン!と男らしく漢字で中村泰一郎!、
教えてもらったトリックはノーコンプライ膝フリップでした!
あのとき軽くあしらわれてたら悲しかっただろうなあ~

ということは......そうか.....そうなのか、ぼくはサインをしてくれなんて言われる身分になったのだな、
お前はプロスケーターか?(笑)とか思いつつも、
もし僕なんかのサインでも喜んでくれて、
物を作る事が少しでも好きになってくれたらな~とか思いつつ、
実際サインなんか書いた事もないので(作品に書いていたのはこの当時はブロック体でした)、
ここから『もらっても残念な気持ちにならないような、
でもすーっと心にはいってくるような芸術家みたいなさりげないやつ(笑)』をテーマに
サインを模索し始めました。
実際に未だにうまくかけているのかはわかりませんが.......。
サインをノートに書いて練習している時のまあなんとも恥ずかしい事恥ずかしい事(笑)、
お前は何を調子に乗っているんだ!?とか思いつつも、
来るべく時を前にして(来るかわかんなかったんだけどね)練習してたんですけれども、
あんまりスラスラしてなかったんですよね。
なんかモッタリしているというかスピード感?いやさらさら感?
こんなもんよく考えたら誰が教えてくれる訳でもないだように
ばっちり書いてくれる人はやっぱり陰練してるんだろうなあ。



2010年 これはNIKEのDUNKを作っている時かな?
まだブロック体で作品にサインしているころです。
サインの板が折れてない!そして勝手にナイキのロゴいじってるし。



2010年 猫!スマイル!なんかかわいい方向です......何かを間違えている.....真ん中の板が折れてる!



2011年 ノートの端になんかサインがいっぱいある!ちょいとモッタリですな~。
スケボーも折れてて今の形に近いです。


そんなモッタリサインが劇的に変化したのが
2011年にLAのダウンタウンでやったDLX x HUF x HAROSHIのART SHOWのときで、
この時は僕らはフリーポスターをピーターラモンデッタのファックサインの作品で作って、
最初はファインプリントにしてエディション(限定)にして売ろうって話があったんだけど、
僕はこの場ではフリーポスターにどうしてもしたくって、
って言うのは子供の頃やっぱデモとか行って並んでポスターもらって、
それにサインしてもらって、部屋に画鋲でブッ刺して飾ったよね!
あれってすごくクールだと思うんです。



2012年1月 こんな感じでHUFのウェアハウスにどっさり届きました!


イベントでもらうプリントなんて、
本当は腫れ物を扱うようにするよりもばんばんテープで貼って欲しいですもんね。
よくよく考えれば、来る子供は$100とか絶対に出せないのです(デッキが$50以下ですし.....)。
このポスター、今でも飾ってくれてる人がいっぱいいてすごくうれしいんです。
今年はメキシコのスケートショップにで飾ってあるのを見ました。



2013年4月 肝心のサインは見えないけど~
メキシコシティ のスケートショップ、デストラクティブルのオーナーさん!
ちなみに彼のやっているポーズはメキシコのファックサイン!えっ!スクリーミングハンドじゃん!
彼はHUFでのショーの時にメキシコから来てました~。


それでまあ当日は結局ものすごく多くの人が来てくれて、ものすごくたくさんサインを書いたんだけど、
まだショーが始まったばかりのすいてる時にサインを書いた人が終盤に僕のところにまた来て、
あとの方のサインを見たらそっちの方がかっこいいからもう一枚書いてって言われて、
見比べたら全然違うんですよ(笑)
このときゆっくり書くよりも、せかされて書く方が "スラスラ感"が 5割増という事に気がついたのです!
いろいろやらなきゃ行けない事もあったし、
ばたばたの中でサインしてたからすっごい速記になってたんだけど、
それが功を奏してかっこよくなっていたのですね~おもしろい!
なのでそこからはスラスラ感のでたサインになりました。



2012年1月 ショーが終わってからキースと一緒に書いたやつ。
キースのサインさらさらしてるなあ~場数が違いますね。
でもこのころはぼくも若干のさらさら感が!



2013年11月 先日発売された、友人のやっているCOS/MESのレコードのジャケに、
多呂さんに撮ってもらった作品が使われました!
それに僕がサインを!
今までのサインを並べた事なんてなかったけど、だいぶこなれてサラサラしてくるんですね~。
多分この時点で1000回は書いてるんじゃないかな(笑)


それから僕は今、サイン書いてくれってどんなに好きなアメリカのスケーターでも
あまりいわないようにしてるんです。
それはやっぱり相手がこちらをリスペクトしてくれて同じ立場で話している以上、
『あの~サイン欲しいんですけども~』
とか言うのはやっぱやめにしたいんですよね。
写真を撮るとかもちょっと敬遠しちゃうよね。
っていうのもやっぱりもうアメリカのスケーターやアーティストに
憧れまくるのは終わりにしたいってずっと思ってて、
まあちょっと意固地になっちゃってる気もするんですけど。
あっ!でもその人モデルのデッキにとかならありかな~なんて、
結局心の中ではみんなの大ファンなんですけどね(笑)
たぶんその気持ちが一周したら気軽に『サインくれない?』なんて言えると思うんだけれども、
まあサインみたいに、経験がスラスラ~とすべてをナチュラルにこなせるようにしてくれるんだろうな~。



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1回目 2013/10/16 『はじめまして』
2回目 2013/11/6 『BATB6のトロフィーのこと』
3回目 2013/11/20 『サインのはなし』
4回目 2013/12/4 『アメリカと日本』
 
 
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